WILD HEART & BROKEN SPIRITS

シンガーソングライターの挑戦状…

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代償

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出張前…現在、読み進めているハードカバーは分厚い為~持参するに、やや~はばかられ…。
丸善に立ち寄り、見つけた文庫…井岡 瞬著~【代償】…一切の先入観なく~読み始めると、物語に一気に吸い込まれます。
平穏な日常が、崩壊し続ける転回…あり得る可能性として、実にリアルな様は~頁をめくらずにはいられない威力です。

邪悪な存在…。
この物語の主人公に対比する、もう一人の主役たる~異端の策士…私の人生の中にも~該当者が何名かおりました。
ある意味で、自己の中にも存在しそうな欲望と達成感…その描写が、あり得そうな分だけ~恐怖を克明化させるのです。

金と欲望と支配と罠…それらを巧妙に細工し、陥れ~シラッと無関係を装う…日常の中に登場する、そんな種類のタイプには
必ず~家庭での問題が大きく影を落とし、その歪んだ性格を個性化させてしまうものです。
この罠にはまり~堕ちると、浮上に時間を要するだけでなく、トラウマ化し~心から楽しむ術さえ失ってしまう場合もあるでしょう。

小僧時代…様々な友人の家へと遊びに行くも~大概の場合、親に愛されている子供たちには一切の危険な要素がない…。
半面~稀に、モンスター化した親や、生活にひっ迫感のある家庭、逆に豪邸の様な家だが親の存在さえ不確かな家に住む…
そんな環境下にいる友人は、常に火薬の臭いが漂い…度の過ぎた悪戯を~快楽に転換させ、心の隙間を埋める…。
 
悪戯の質と、大人に様変わりしようとする成長過程の心は徐々に距離を作り出し~やがて会う事もなくなった…。
擦り切れた心を持つ者達とは、気が合う部分と~分かち合えない部分とがあり…近し気も~同化することはなかった…。
擦り切れ、破れた心は売り物には出来ない…それをひた隠し~虚勢を張ってでも生きることが男らしさと思っていたからだ。

一方で、火薬の匂いのしない者達は、衰弱し~鬱の様な精神状態との葛藤が垣間見れ…手助けに至らなかった…。

先日、幼馴染の弘美ちゃんと~カンパリソーダを頂きながら、子供の頃の悪戯三昧の物語を回顧され…反省させられる…。
30歳を超えた頃から、人生はしくじり、墜落した分量や、傷付けた人達への償いとしての人生を意識して生きて来た…。
その思いは、やがて感謝と化し、幸福を分け合える様~喜びや楽しみに転換できる瞬間を返していく…そんな変化へ転じた。

子供たちが、自ら命を断ち切り~その残骸を残す事件は、実に悲しい…。
嫉妬と妬み…自己の満たされない日常への憂さ晴らし…虐めの根源は、加害者のその様に構築された邪悪な心にある…。
兄弟喧嘩の様な~友人関係で留める事…せめて、そこで制御できる心が大事だ…それ以上の成れの果ては~心が死ぬ。

この作品には、実に身近な…恐るべき欲望への学習と、打算的で幼稚な策士への道しるべを体得した少年が登場する…。
人間の三大欲…食欲・睡眠欲・性欲…そこに連動する金欲を満たすに留まらない~身代わりを盾にする天才が登場する。
主人公は、最後まで~純朴かつ弱さを兼ね備え、周囲の協力を持って立ち向かう…その姿に一票だ。

普通の人間で生きることが難しい時代…この作品は~危険予知の大切さを教えてくれる作品です。








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沙門空海 唐の国にて鬼と宴す

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傑作と出逢った…♪
夢枕 獏著~【沙門空海 唐の国にて鬼と宴す】…全四巻。
【陰陽師】…の原作者と云えば~あぁ…となるであろうか…その彼が~17年間の連載を経てリリースした作品の文庫。

また仏教関連かぃ…と思われる方もいようか…密教は戒律を除けば~天地宇宙の教えであり、宗教と云うカテゴリに属さない。
それでも今日の仏教を確立した原点となる根本原理を直輸入した【弘法大師空海】の~中国は長安(現西安)での物語…。
そいつが~中国で巨額を投じ、カドカワと共同で映画製作…昨年末にクランク・アップ~さて、出来栄えを期待したい♪

この書物…10年以上前から気になっている作品であったのだが、余力なき時を通過中の時代では完読にも至らず…。
実の処、映画化の決定に乗じ、まず巻の一から~トライしてみたが、これが~思いの外、圧倒的吸引力に導かれてしまい…
一気に残りの三巻を入手…その展開に~ハラハラしながら…先頃、完読に辿り着いてしまい…空海ロス気味な状態。

この映画…【KUKAI-妖猫伝】たるタイトルの様だが、物語は実際の史実に~妖物との駆け引きを通じ、見事なまでに
そのプロットをイマジネーションの産物と共に繋ぎ止めている…。
この作品には【詩】と【音楽】と【宴】と【牡丹】…そこに【妖物】と【密】と【呪】…その根底に脈打つ【情熱的な愛の心】…。

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それらが、見事なまでに~静寂な映像を脳裏に描き、暖かい春を迎えるまでの時や、月光に照らされたシーンを魅せる。
当時の登場人物へ…ありえそうな物語を通じ~核となる【楊貴妃】の存在を物語の中心に据えて放射させるのだ…。
クライマックスたる妖物との戦闘シーンは、どの様に映像化させるのだろうか…実に楽しみなのである。

詩と言葉…最強の時代であった中国の唐王朝…その崩壊への序章と共に~擦り減りゆく時と人生の刹那が唄われる詩…。
そこに~人の心の繊細なひだを感じ、沙門である空海と~盟友、橘逸勢の会話が心地良く、物語の緊迫感を和らげる。
謎の紐を解く繊細なストーリーは、読む者を圧倒的に引き釣り込み~見事なまでに終結のエンドロールへ導いてくれる。

あぁ…終わってしまう…そんな残念な思いで巻の四~終盤では一抹の哀しみを感じながら、読まずにいられない感覚…。
終わりを迎え、文庫~スピンオフの戯曲ストーリーが余韻に決別を結ぶ…。
空海の清々しい生き様…それは沙門でも僧侶でもなく~一人の人間としての在り方を完膚なきまでに感じさせるのだ♪

映画公開は~2018年…是非ともこだわりぬいて、最高傑作の映像美を期待したい…その様に感じとります♪




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64

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  昭和64年…昭和天皇崩御により~7日間のみしか存在しない年号…。
  あの頃~渋谷は道玄坂に勤務していた時期…年明け出社の際、道玄坂は~喪に服す垂幕に覆われ、異色の
  街並みを醸し出していた…振り返れば~あの頃も、随分と…日常の破れない壁に直面していた記憶がある…。

  横山秀夫著~【64(ロクヨン)】を読んだ…
  物語は、この7日間の間に発生した未解決の【幼女誘拐殺害事件】がベースであり、【64】とはその符号でもある。
  主人公【三上】は、家出中の娘を案じながら~刑事部から刑務部へ異動させられた【広報室の広報官】…。

  
  未解決事件の遺族たる雨宮芳男
  未解決ゆえに本庁長官が慰問に訪れたいと申し出るその【裏の真意】…。
  事件発生当時~自宅班として詰めていた捜査員達の間で発生した問題…それを隠蔽したいD県警上層部…。

 
  広報室と各社マスコミとの唾競り合い…その広報室の部下達をまとめようと奮闘する三上の姿
  刑事部と刑務部との確執…鍵を握る元自宅班だった【幸田】が残したとされる【幸田メモ】…
  それを追尾するかの様に影で動く【二渡】…あらゆるシーンで出てくる【無言電話】と云うキーワード…。

  そして~後半戦で突如、【64】を模倣したと思われる【誘拐事件】が発生する…。
  ここまで先の読めない展開は~その点と線を結び始め、輪郭を克明に浮き上がらせてくる。
  点と線を…一気に核心部へと導く手法は~見事…実際、その輪郭は~三上が気付くまで、推測できませんでした。

  先日までNHKでドラマが放映されとりました…そこにタイミングよく読み始めていたこともあって、ドラマも見た。
  読みこんで~映像を見る…そこには~ドラマのみでは汲み取れない真意を知る者のみが理解可能なシーンが…。
  やはり…底辺には暗く…言葉に出来ない感情が後半に溢れ出てきます…その深く悲しくも~絶対的な意思…。

  現代を生きる【自己のポジション】を明確に意識する男の姿…やはりハード・ボイルドと云えましょうか…。
  組織人は常に追い込まれるものです…最善の出口を見極め~落とし所を提示する…が、理解者が必要だ。
  どこの社会や組織にも、立場優先の輩が・・意思を捨てて~保身者へと移り変わる荒野たる現代社会…。

  命の尊さ…
  故人の尊厳…
  組織人であっても~そのバランスを欠くことなく、本質的な心あるメンタルトレーナーを目指すのが、今時と信じます。


  
  
  

  

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下町ロケット

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  『倍返しだっ…』の~半沢直樹…快進撃を続ける著者~【池井戸潤】の作品、【下町ロケット】を読んだ。
  沸騰型個性の熱い人間像が描かれる彼の作品は、その魅力的な人物像の配置で~強力に吸い込まれる…。
  製造業に関わっていなくとも~充分楽しめる物語だが、携わっている分~うなずける配慮が心難い。

  大田区という場所は、私のLIFE WORKの基礎が創られたフィールド…学び~奮闘し、悩み~再起した場所だ。
  この町は京浜工業地区と呼ばれ、昔ながらの職人さん達がひしめき合い~卓越した技術に磨きを掛けて来た。
  それでも、後継者不在の会社は~やむなく店仕舞いをせねばならず、ずいぶんと工場が減ってしまった…。

  そんな場所が舞台の【下町ロケット】…。
  ロケットエンジンの技術研究者【佃航平】の創り上げたエンジンを搭載したロケットはプロローグで失敗~爆破…。
  父の跡を継いだ【佃製作所】の社長業として~さえない環境を生きる処から物語はスタートする。

  主要取引先の【京浜マシナリー】から発注停止宣言を受け~銀行からは、ソッポを向かれ、同業の【ナカシマ工業
  から特許・侵害で訴えられ~航空宇宙開発の最大手【帝国重工】からちょっかいを出される…。
  一難去って又一難…と~途絶えることのない無理難題とピンチを、主人公は切りぬけて行く。

  この物語に脈々と流れる生命の源は、【技術力】というひとつの信念であろうか…登場人物は、実に濃いキャラで
  人物像さえ描けてしまう程、身近に存在しそうなキャスティングが散りばめられ…そんな彼らさえ、最終的には
  技術という名の信念で繋がっており、エピローグで~その思いがひとつになる…実にスカッと感で幕を閉じます。

  夢のある何かを創りたい…モノ創りに妥協を介入させず、一心一念に技術力を研ぎ澄ます姿勢…この国が
  経済大国として君臨した基礎は、丁寧なモノ創り…職人技による匠の意思が根底に存在していたからでしょう。
  大金を取るか、夢と技術を取るか…木端微塵になりそうな現代の在り方へ~アンサーとなる作品であります。

  ちょっとした旅の友に~是非、連れて行って欲しい作品ですね♪


  
  
  

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 宮部久蔵の物語を読んだ…。

 【永遠の0】と名付けられた百田尚樹…渾身のデビュー作であり、私にとっても~最高傑作の域と感じてしまった小説…。
 やはり…読みたい欲を温存し続けた作品であり、映画化も~小説を完読した上で観賞したい…を待ち焦がれた…。
 その時が来た時点で~【海賊とよばれた男】の文庫化を、先発的に読み~真打ちたる作品との格闘を温めたのです。

 【海軍零式戦闘機】…このネーミングからは~盟友、松ちゃんが浮上してくる…。
 十代の頃~時に遊びに行った彼の部屋に、無造作に転がっている様々な【太平洋戦争にまつわる逸話や史実の本
 歴史に無頓着な私に~熱弁奮って説明してくれて【ラバウル航空隊】、【ガ島】、【南京大虐殺】…は彼から学んだ。

 歴史上での大東亜戦争(太平洋戦争)…過去の映画などを通じて観賞してきましたが、思い描いていた事実とは
 大きくかけ離れ、【特別攻撃隊】たる作戦に至るまでを、ありのまま…分かりやすく伝えてくれる作品であると思います。
 一人の零戦搭乗員…宮部久蔵を通し~空前絶後の悲惨さと、生き残った者達からしか伝える事のできない凄まじさ・・。

 物語は現代人たる姉弟が、祖母の死をきっかけに~特攻隊だった祖父の軌跡を、生き証人たる戦友達を訪ね
 その壮絶なる人生へ徐々に肉薄していく様を描いている…その繊細な描写や光景は、脳内に映像を送り込み
 姉弟の精神的内面が、同時進行で成長して行く姿をも描いている。

 いくつかのキーワードがある…。

 【特攻隊はテロ行為か?】、【ある新聞社が引き起こした戦争への引き金】、【非人道的作戦のなれの果て】…
 作品は、それらの問いを投げかけ~読む者に選択肢を与える…が、この作品に脈々と流れる特攻隊員達の
 ちぎれそうな決断と勇気は、それらの暗雲さえ吹き飛ばす威力に満ちていて~あらゆる愚弄さえ粉砕する。

 しかし、そのキーワードには触れない…完読済みの方にはお解りと思うが、映画においても~この部分には
 明確な表現を避けている…実際、【永遠の0】は賛否両論の作品でもあり、右派、左派、自虐的国家思想家…
 あるいは戦争や特攻隊を美化する事への不快感を示す人々にとっては、違う思想が介在してしまうものだから…。

 それでも、そんな屁理屈は~この作品の根底で生命力を示す愛の威力の前に、焼きつくされると思えてならない。
 いつの時代もエリートと呼ばれる群衆はエゴを生み出し、特にこの時代は命=ゴミ扱いへと感覚麻痺に墜落する。
 当時、世界最強とうたわれた【零戦】が産み出されなければ…もしかしたら、原爆投下もなかったかもしれない…。

 作品のクライマックスは圧巻だ…第八章【桜花】~第九章【カミカゼアタック】、第十章【阿修羅】…一気に読んでしまう。
 そして~【プロローグ】と【エピローグ】をもって結ばれる宮部久蔵の決意と最後のケジメへの決着は胸を撃つ…。
 なぜ彼が特攻隊を志願したか…それは、心ある者達には、絶対に分かることであろう…。

 映画も素晴らしい作品だったが、小説の様に細かく繊細な描写を搭載できず、作品の核たる部分が割愛されている。
 宮部久蔵は実在の人物ではないものの~モデルとして囁かれる方も存在していた様だ…。
 そんな【永遠の0】…テレビ東京50周年特別企画として~2月11日より、およそ三日間に渡り放送されます。

 …が、キャスティングがねぇ~イマイチな気がしてならないのです…映画のインパクト~強すぎちゃって…。
 まぁ、それでもたっぷり時間を費やして放映される作品です…どこまで小説の核心部を表現してくれるのか…
 じっくり観賞したいと思います…。

 70年前・・・こんなにも勇ましく純粋な若者達が、命を犠牲にして奮闘してくれた…我々はその恩恵を生かさねば
 なりませんね…この作品は、生きること、生き続けることの尊さが何なのかを問い掛け~答えを導き出してくれます。
 傑作です。

  

 
   
 

 

テーマ : 読書感想    ジャンル : 小説・文学

プロフィール

聖

Author:聖
自作楽曲の配信サイトです。
詩を書き~曲を付け~唄う…
そこには、多くの試練と喜びが
待ちうけております…。
喜怒哀楽が伝われば幸いに思います♪

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