WILD HEART & BROKEN SPIRITS

シンガーソングライターの挑戦状…

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沙門空海 唐の国にて鬼と宴す

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傑作と出逢った…♪
夢枕 獏著~【沙門空海 唐の国にて鬼と宴す】…全四巻。
【陰陽師】…の原作者と云えば~あぁ…となるであろうか…その彼が~17年間の連載を経てリリースした作品の文庫。

また仏教関連かぃ…と思われる方もいようか…密教は戒律を除けば~天地宇宙の教えであり、宗教と云うカテゴリに属さない。
それでも今日の仏教を確立した原点となる根本原理を直輸入した【弘法大師空海】の~中国は長安(現西安)での物語…。
そいつが~中国で巨額を投じ、カドカワと共同で映画製作…昨年末にクランク・アップ~さて、出来栄えを期待したい♪

この書物…10年以上前から気になっている作品であったのだが、余力なき時を通過中の時代では完読にも至らず…。
実の処、映画化の決定に乗じ、まず巻の一から~トライしてみたが、これが~思いの外、圧倒的吸引力に導かれてしまい…
一気に残りの三巻を入手…その展開に~ハラハラしながら…先頃、完読に辿り着いてしまい…空海ロス気味な状態。

この映画…【KUKAI-妖猫伝】たるタイトルの様だが、物語は実際の史実に~妖物との駆け引きを通じ、見事なまでに
そのプロットをイマジネーションの産物と共に繋ぎ止めている…。
この作品には【詩】と【音楽】と【宴】と【牡丹】…そこに【妖物】と【密】と【呪】…その根底に脈打つ【情熱的な愛の心】…。

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それらが、見事なまでに~静寂な映像を脳裏に描き、暖かい春を迎えるまでの時や、月光に照らされたシーンを魅せる。
当時の登場人物へ…ありえそうな物語を通じ~核となる【楊貴妃】の存在を物語の中心に据えて放射させるのだ…。
クライマックスたる妖物との戦闘シーンは、どの様に映像化させるのだろうか…実に楽しみなのである。

詩と言葉…最強の時代であった中国の唐王朝…その崩壊への序章と共に~擦り減りゆく時と人生の刹那が唄われる詩…。
そこに~人の心の繊細なひだを感じ、沙門である空海と~盟友、橘逸勢の会話が心地良く、物語の緊迫感を和らげる。
謎の紐を解く繊細なストーリーは、読む者を圧倒的に引き釣り込み~見事なまでに終結のエンドロールへ導いてくれる。

あぁ…終わってしまう…そんな残念な思いで巻の四~終盤では一抹の哀しみを感じながら、読まずにいられない感覚…。
終わりを迎え、文庫~スピンオフの戯曲ストーリーが余韻に決別を結ぶ…。
空海の清々しい生き様…それは沙門でも僧侶でもなく~一人の人間としての在り方を完膚なきまでに感じさせるのだ♪

映画公開は~2018年…是非ともこだわりぬいて、最高傑作の映像美を期待したい…その様に感じとります♪




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テーマ : 書評    ジャンル : 本・雑誌

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64

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  昭和64年…昭和天皇崩御により~7日間のみしか存在しない年号…。
  あの頃~渋谷は道玄坂に勤務していた時期…年明け出社の際、道玄坂は~喪に服す垂幕に覆われ、異色の
  街並みを醸し出していた…振り返れば~あの頃も、随分と…日常の破れない壁に直面していた記憶がある…。

  横山秀夫著~【64(ロクヨン)】を読んだ…
  物語は、この7日間の間に発生した未解決の【幼女誘拐殺害事件】がベースであり、【64】とはその符号でもある。
  主人公【三上】は、家出中の娘を案じながら~刑事部から刑務部へ異動させられた【広報室の広報官】…。

  
  未解決事件の遺族たる雨宮芳男
  未解決ゆえに本庁長官が慰問に訪れたいと申し出るその【裏の真意】…。
  事件発生当時~自宅班として詰めていた捜査員達の間で発生した問題…それを隠蔽したいD県警上層部…。

 
  広報室と各社マスコミとの唾競り合い…その広報室の部下達をまとめようと奮闘する三上の姿
  刑事部と刑務部との確執…鍵を握る元自宅班だった【幸田】が残したとされる【幸田メモ】…
  それを追尾するかの様に影で動く【二渡】…あらゆるシーンで出てくる【無言電話】と云うキーワード…。

  そして~後半戦で突如、【64】を模倣したと思われる【誘拐事件】が発生する…。
  ここまで先の読めない展開は~その点と線を結び始め、輪郭を克明に浮き上がらせてくる。
  点と線を…一気に核心部へと導く手法は~見事…実際、その輪郭は~三上が気付くまで、推測できませんでした。

  先日までNHKでドラマが放映されとりました…そこにタイミングよく読み始めていたこともあって、ドラマも見た。
  読みこんで~映像を見る…そこには~ドラマのみでは汲み取れない真意を知る者のみが理解可能なシーンが…。
  やはり…底辺には暗く…言葉に出来ない感情が後半に溢れ出てきます…その深く悲しくも~絶対的な意思…。

  現代を生きる【自己のポジション】を明確に意識する男の姿…やはりハード・ボイルドと云えましょうか…。
  組織人は常に追い込まれるものです…最善の出口を見極め~落とし所を提示する…が、理解者が必要だ。
  どこの社会や組織にも、立場優先の輩が・・意思を捨てて~保身者へと移り変わる荒野たる現代社会…。

  命の尊さ…
  故人の尊厳…
  組織人であっても~そのバランスを欠くことなく、本質的な心あるメンタルトレーナーを目指すのが、今時と信じます。


  
  
  

  

テーマ : 読んだ本の感想等    ジャンル : 小説・文学

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下町ロケット

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  『倍返しだっ…』の~半沢直樹…快進撃を続ける著者~【池井戸潤】の作品、【下町ロケット】を読んだ。
  沸騰型個性の熱い人間像が描かれる彼の作品は、その魅力的な人物像の配置で~強力に吸い込まれる…。
  製造業に関わっていなくとも~充分楽しめる物語だが、携わっている分~うなずける配慮が心難い。

  大田区という場所は、私のLIFE WORKの基礎が創られたフィールド…学び~奮闘し、悩み~再起した場所だ。
  この町は京浜工業地区と呼ばれ、昔ながらの職人さん達がひしめき合い~卓越した技術に磨きを掛けて来た。
  それでも、後継者不在の会社は~やむなく店仕舞いをせねばならず、ずいぶんと工場が減ってしまった…。

  そんな場所が舞台の【下町ロケット】…。
  ロケットエンジンの技術研究者【佃航平】の創り上げたエンジンを搭載したロケットはプロローグで失敗~爆破…。
  父の跡を継いだ【佃製作所】の社長業として~さえない環境を生きる処から物語はスタートする。

  主要取引先の【京浜マシナリー】から発注停止宣言を受け~銀行からは、ソッポを向かれ、同業の【ナカシマ工業
  から特許・侵害で訴えられ~航空宇宙開発の最大手【帝国重工】からちょっかいを出される…。
  一難去って又一難…と~途絶えることのない無理難題とピンチを、主人公は切りぬけて行く。

  この物語に脈々と流れる生命の源は、【技術力】というひとつの信念であろうか…登場人物は、実に濃いキャラで
  人物像さえ描けてしまう程、身近に存在しそうなキャスティングが散りばめられ…そんな彼らさえ、最終的には
  技術という名の信念で繋がっており、エピローグで~その思いがひとつになる…実にスカッと感で幕を閉じます。

  夢のある何かを創りたい…モノ創りに妥協を介入させず、一心一念に技術力を研ぎ澄ます姿勢…この国が
  経済大国として君臨した基礎は、丁寧なモノ創り…職人技による匠の意思が根底に存在していたからでしょう。
  大金を取るか、夢と技術を取るか…木端微塵になりそうな現代の在り方へ~アンサーとなる作品であります。

  ちょっとした旅の友に~是非、連れて行って欲しい作品ですね♪


  
  
  

テーマ : 読書    ジャンル : 小説・文学

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 宮部久蔵の物語を読んだ…。

 【永遠の0】と名付けられた百田尚樹…渾身のデビュー作であり、私にとっても~最高傑作の域と感じてしまった小説…。
 やはり…読みたい欲を温存し続けた作品であり、映画化も~小説を完読した上で観賞したい…を待ち焦がれた…。
 その時が来た時点で~【海賊とよばれた男】の文庫化を、先発的に読み~真打ちたる作品との格闘を温めたのです。

 【海軍零式戦闘機】…このネーミングからは~盟友、松ちゃんが浮上してくる…。
 十代の頃~時に遊びに行った彼の部屋に、無造作に転がっている様々な【太平洋戦争にまつわる逸話や史実の本
 歴史に無頓着な私に~熱弁奮って説明してくれて【ラバウル航空隊】、【ガ島】、【南京大虐殺】…は彼から学んだ。

 歴史上での大東亜戦争(太平洋戦争)…過去の映画などを通じて観賞してきましたが、思い描いていた事実とは
 大きくかけ離れ、【特別攻撃隊】たる作戦に至るまでを、ありのまま…分かりやすく伝えてくれる作品であると思います。
 一人の零戦搭乗員…宮部久蔵を通し~空前絶後の悲惨さと、生き残った者達からしか伝える事のできない凄まじさ・・。

 物語は現代人たる姉弟が、祖母の死をきっかけに~特攻隊だった祖父の軌跡を、生き証人たる戦友達を訪ね
 その壮絶なる人生へ徐々に肉薄していく様を描いている…その繊細な描写や光景は、脳内に映像を送り込み
 姉弟の精神的内面が、同時進行で成長して行く姿をも描いている。

 いくつかのキーワードがある…。

 【特攻隊はテロ行為か?】、【ある新聞社が引き起こした戦争への引き金】、【非人道的作戦のなれの果て】…
 作品は、それらの問いを投げかけ~読む者に選択肢を与える…が、この作品に脈々と流れる特攻隊員達の
 ちぎれそうな決断と勇気は、それらの暗雲さえ吹き飛ばす威力に満ちていて~あらゆる愚弄さえ粉砕する。

 しかし、そのキーワードには触れない…完読済みの方にはお解りと思うが、映画においても~この部分には
 明確な表現を避けている…実際、【永遠の0】は賛否両論の作品でもあり、右派、左派、自虐的国家思想家…
 あるいは戦争や特攻隊を美化する事への不快感を示す人々にとっては、違う思想が介在してしまうものだから…。

 それでも、そんな屁理屈は~この作品の根底で生命力を示す愛の威力の前に、焼きつくされると思えてならない。
 いつの時代もエリートと呼ばれる群衆はエゴを生み出し、特にこの時代は命=ゴミ扱いへと感覚麻痺に墜落する。
 当時、世界最強とうたわれた【零戦】が産み出されなければ…もしかしたら、原爆投下もなかったかもしれない…。

 作品のクライマックスは圧巻だ…第八章【桜花】~第九章【カミカゼアタック】、第十章【阿修羅】…一気に読んでしまう。
 そして~【プロローグ】と【エピローグ】をもって結ばれる宮部久蔵の決意と最後のケジメへの決着は胸を撃つ…。
 なぜ彼が特攻隊を志願したか…それは、心ある者達には、絶対に分かることであろう…。

 映画も素晴らしい作品だったが、小説の様に細かく繊細な描写を搭載できず、作品の核たる部分が割愛されている。
 宮部久蔵は実在の人物ではないものの~モデルとして囁かれる方も存在していた様だ…。
 そんな【永遠の0】…テレビ東京50周年特別企画として~2月11日より、およそ三日間に渡り放送されます。

 …が、キャスティングがねぇ~イマイチな気がしてならないのです…映画のインパクト~強すぎちゃって…。
 まぁ、それでもたっぷり時間を費やして放映される作品です…どこまで小説の核心部を表現してくれるのか…
 じっくり観賞したいと思います…。

 70年前・・・こんなにも勇ましく純粋な若者達が、命を犠牲にして奮闘してくれた…我々はその恩恵を生かさねば
 なりませんね…この作品は、生きること、生き続けることの尊さが何なのかを問い掛け~答えを導き出してくれます。
 傑作です。

  

 
   
 

 

テーマ : 読書感想    ジャンル : 小説・文学

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海賊とよばれた男

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 久々に、心臓貫通の作品に出逢ってしまいました…【海賊とよばれた男】…。
 2013年の作品ですが、私を取り巻く環境のわるさゆえ~文庫本の出版を待っての完読…正直、やられちゃいました…。
 おまけに、指導力零%の経営者の私設秘書時代に熟読を開始したもんで~余計、心を射抜かれてしまったのですね。

 通勤時、少しづつ~読んでいたのですが、物語はいくつかのアップダウンを、時代分けして用意しているため、時には
 重点的に読んでしまう…すると~残りページが少なくなる度に、いささか淋しくなり~ペースを落としてみたり…。
 さりとて、まずまず~丁寧な時代背景と巡航する物語の分かりやすさが、改めて戦争の核たる背景を浮き彫りにする。

 出光興産は、初代出光社長~出光佐三さん(作中は國岡鐡造)の渾身の人生に著者【百田尚樹】が魂を注ぎ込んだ。
 敗戦で多くを失った日本…石油会社の店主である鐡造は、どん底の経営状態も~社員の首を一切~切ることなく
 不屈の精神で~会社を再建し、米英の石油メジャーと真向勝負の末~前人未到のイラン直接輸入を実現に導く…。

 彼の絶対的な筋の通し方に賛同する社員達…。その沸騰する男達の熱気に満ちた奮闘っぷりが心を射抜きます…。
 トップに立つ…そのあり方は、どうでなければならないか…それを示してくれている作品なのです。
 これほどまでに魅力的で日本人であると云う誇りを持った人間の存在…やはり時代が産み出したのでしょうか。

 戦争から敗戦へと続く時代の中…石油と云う資源が、その根底で燻ぶり、多くの命を失わせる切っ掛けであったの
 だと、改めて知らされた思いです…命たる補給を断たれ~狂気たるエリート長官の指令に従う純粋な尊い魂達・・・。
 出光佐三さんは…きっと、天が使わした使者であり、歴史的偉業を通じ~経営斯くあるべき…を教えてくれたのです。

 書店には~掃いて捨てる程ビジネス書籍が所狭しと積み上げられ、時代に応じた戦術・戦略を…手を変え品を変え
 発刊し続けておりますが、いずれも~それほど役に立つものではありません。
 小賢しい細工や策略なんかより、数倍優れた思想や生き方、仕事の基礎は~この主人公から学ぶことができます。

 偉大な指導者の元には、優れた人材が取り巻きとなり、意外な事にも~多くのキーマンが登場し、そのピンチを
 救済する…成功と失敗を繰り返しながらも、その人生は沢山の登場人物に支えられ、やがて前人未到の偉業を
 達成するに至るのです。

 しかし、その時代背景は戦前~戦後と云う過酷なまでの環境に支配されていた。
 戦地から帰還した社員達…その間も~一切の社員を辞めさせず、自らの資産を切り崩し~給料を支払い続けた。
 その恩義たる馬力が産み出す、社員一人一人の結束力は日本の復興とシンクロし、経営母体を強靭に仕上げた。

 ひとつずつの苦労が積み重なり、実を結び~花が咲く…四季の移り変わりの様に~停滞と困難と挑戦と成功が
 年輪に刻み付けられ、大きな巨木と化して行く姿は~心に大きな何かを与えてくれるものです…。
 読み終えると心から~『お疲れさまでした…』と合掌さえしたくなる…正に人生を使いきった生き方に拍手喝采です♪

 

 時に~何となく…給油は【出光】で入れて行こうっかなぁ~…などと思い~給油中…出光佐三さんを偲ぶのです…。


 

  

 

 

 

 

テーマ : 生き方    ジャンル : 小説・文学

プロフィール

聖

Author:聖
自作楽曲の配信サイトです。
詩を書き~曲を付け~唄う…
そこには、多くの試練と喜びが
待ちうけております…。
喜怒哀楽が伝われば幸いに思います♪

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