WILD HEART & BROKEN SPIRITS

シンガーソングライターの挑戦状…

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騎士団長殺し…

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やっと、読み終わりました…騎士団長殺し…10カ月もかかっちまいましたぁ…。
上下巻~二冊にする必要あったんかぃなぁ…などと、前半戦での主人公の淡々と続いて行く物語の長さに翻弄されながら…
と、いつもの様に~その間…別の小説へと脱線しながら、脱線小説の傑作具合にほだされて~結構…放置気味に…

新幹線や航空機での出張時…持っていくには~分厚く…いささか邪魔になるハードカバー具合…それゆえ自宅読みとなる。
昨年は~三度…風邪を引いた…師走も後半にこじらせた重傷具合と比較し~軽度の二回…その折~寝床で読み進め…
いよいよ核心部へと突入する下巻の後半戦…ようやく~点と線が結び付いて行くラストは年末まで~もつれ込んだ…

その間~【雨の狩人】、【教場Ⅲ】へやや脱線も、気持ちを騎士団長殺しへ集中させ~完読せねば、教場Ⅲは封印!…
しかし…大沢在昌著、雨の狩人は…シリーズ最高傑作の頂きでありました…強力なスナイパーを有する暴力団連合幹部と
シリーズ唯一のサブ主人公である佐江が追随して行く核心部への道標へのロードは一気読み必至…チビチビ読んだけどね。

さて、騎士団長殺し…例によって~インテリ気味の主人公や配役に、不自然さを禁じ得ない感満載の展開は諦めつつ…
日常と異次元空間との融合…1Q84でも取り上げられた手法へ、【イデア(観念)】と【メタファー(たとえ)】なる言葉を
引用し~一見、説明のつかない現象を通じスクランブルしていた日常を元ある姿へ取り戻して行く…そんな物語である。

封印されている異次元への扉を開き、それが原因となって~起きる事象は、さながら霊現象だが~イデアとメタファーとで
そのカテゴライズを不思議な空間へと誘う春樹ワールドへ導いている…愛はイデアではなくとも~成り立たせているものは
イデアだと説き、イデアなくして愛は存在しない…抽象的な俗称を~観念として、貫き通し~読者を引き摺り込むのだ…。

本作では、主人公がブルース・スプリングスティーンの【THE RIVER】をLPレコードで購入…LPレコードの盤面を変えねば
【HUNGRY HEART】が聴けない…と云う事象さえ、CDで連続聴きする時代へのアンチテーゼと聞こえ心地良いのだ♪
クラシック音楽以外では80年代初頭のロックミュージックが見え隠れする春樹作品は、その織り込みスパイスが冴えている。

最終64章では、東日本大震災のことが描かれている…この事象は~転結部へ織り込みたいと描いていたのだろう…。
『かもしれない…』と云う心の振幅に揺り動かされる物語の結末的な言葉として『信じる力』は、最終章にふさわしい…。
そして恩寵のひとつのかたちを~授かった命…子供へと結びつけたことが、物語の最大の幸福点であると感じ、暖かくなる。

騎士団長はイデア(観念)として、出現した…それは視覚的に絵画の中で見た、具体的な姿を拝借して出現したのだった。
何層もに積載された生きとし生ける現世…我々のいる次元層以外にも~時間軸を超え、違う空間が存在しているのだろう。
宇宙空間の果てに~地球外生命体が存在するのではなく、次元層の違う異次元空間にこそ…違う生命体がいるはずだ…。

作中の免色さんは~レスラーの武藤敬司さんとして脳内で描いとりました…。
次回作も~きっと長時間格闘になるのだろうなぁ…。





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代償

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出張前…現在、読み進めているハードカバーは分厚い為~持参するに、やや~はばかられ…。
丸善に立ち寄り、見つけた文庫…井岡 瞬著~【代償】…一切の先入観なく~読み始めると、物語に一気に吸い込まれます。
平穏な日常が、崩壊し続ける転回…あり得る可能性として、実にリアルな様は~頁をめくらずにはいられない威力です。

邪悪な存在…。
この物語の主人公に対比する、もう一人の主役たる~異端の策士…私の人生の中にも~該当者が何名かおりました。
ある意味で、自己の中にも存在しそうな欲望と達成感…その描写が、あり得そうな分だけ~恐怖を克明化させるのです。

金と欲望と支配と罠…それらを巧妙に細工し、陥れ~シラッと無関係を装う…日常の中に登場する、そんな種類のタイプには
必ず~家庭での問題が大きく影を落とし、その歪んだ性格を個性化させてしまうものです。
この罠にはまり~堕ちると、浮上に時間を要するだけでなく、トラウマ化し~心から楽しむ術さえ失ってしまう場合もあるでしょう。

小僧時代…様々な友人の家へと遊びに行くも~大概の場合、親に愛されている子供たちには一切の危険な要素がない…。
半面~稀に、モンスター化した親や、生活にひっ迫感のある家庭、逆に豪邸の様な家だが親の存在さえ不確かな家に住む…
そんな環境下にいる友人は、常に火薬の臭いが漂い…度の過ぎた悪戯を~快楽に転換させ、心の隙間を埋める…。
 
悪戯の質と、大人に様変わりしようとする成長過程の心は徐々に距離を作り出し~やがて会う事もなくなった…。
擦り切れた心を持つ者達とは、気が合う部分と~分かち合えない部分とがあり…近し気も~同化することはなかった…。
擦り切れ、破れた心は売り物には出来ない…それをひた隠し~虚勢を張ってでも生きることが男らしさと思っていたからだ。

一方で、火薬の匂いのしない者達は、衰弱し~鬱の様な精神状態との葛藤が垣間見れ…手助けに至らなかった…。

先日、幼馴染の弘美ちゃんと~カンパリソーダを頂きながら、子供の頃の悪戯三昧の物語を回顧され…反省させられる…。
30歳を超えた頃から、人生はしくじり、墜落した分量や、傷付けた人達への償いとしての人生を意識して生きて来た…。
その思いは、やがて感謝と化し、幸福を分け合える様~喜びや楽しみに転換できる瞬間を返していく…そんな変化へ転じた。

子供たちが、自ら命を断ち切り~その残骸を残す事件は、実に悲しい…。
嫉妬と妬み…自己の満たされない日常への憂さ晴らし…虐めの根源は、加害者のその様に構築された邪悪な心にある…。
兄弟喧嘩の様な~友人関係で留める事…せめて、そこで制御できる心が大事だ…それ以上の成れの果ては~心が死ぬ。

この作品には、実に身近な…恐るべき欲望への学習と、打算的で幼稚な策士への道しるべを体得した少年が登場する…。
人間の三大欲…食欲・睡眠欲・性欲…そこに連動する金欲を満たすに留まらない~身代わりを盾にする天才が登場する。
主人公は、最後まで~純朴かつ弱さを兼ね備え、周囲の協力を持って立ち向かう…その姿に一票だ。

普通の人間で生きることが難しい時代…この作品は~危険予知の大切さを教えてくれる作品です。








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沙門空海 唐の国にて鬼と宴す

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傑作と出逢った…♪
夢枕 獏著~【沙門空海 唐の国にて鬼と宴す】…全四巻。
【陰陽師】…の原作者と云えば~あぁ…となるであろうか…その彼が~17年間の連載を経てリリースした作品の文庫。

また仏教関連かぃ…と思われる方もいようか…密教は戒律を除けば~天地宇宙の教えであり、宗教と云うカテゴリに属さない。
それでも今日の仏教を確立した原点となる根本原理を直輸入した【弘法大師空海】の~中国は長安(現西安)での物語…。
そいつが~中国で巨額を投じ、カドカワと共同で映画製作…昨年末にクランク・アップ~さて、出来栄えを期待したい♪

この書物…10年以上前から気になっている作品であったのだが、余力なき時を通過中の時代では完読にも至らず…。
実の処、映画化の決定に乗じ、まず巻の一から~トライしてみたが、これが~思いの外、圧倒的吸引力に導かれてしまい…
一気に残りの三巻を入手…その展開に~ハラハラしながら…先頃、完読に辿り着いてしまい…空海ロス気味な状態。

この映画…【KUKAI-妖猫伝】たるタイトルの様だが、物語は実際の史実に~妖物との駆け引きを通じ、見事なまでに
そのプロットをイマジネーションの産物と共に繋ぎ止めている…。
この作品には【詩】と【音楽】と【宴】と【牡丹】…そこに【妖物】と【密】と【呪】…その根底に脈打つ【情熱的な愛の心】…。

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それらが、見事なまでに~静寂な映像を脳裏に描き、暖かい春を迎えるまでの時や、月光に照らされたシーンを魅せる。
当時の登場人物へ…ありえそうな物語を通じ~核となる【楊貴妃】の存在を物語の中心に据えて放射させるのだ…。
クライマックスたる妖物との戦闘シーンは、どの様に映像化させるのだろうか…実に楽しみなのである。

詩と言葉…最強の時代であった中国の唐王朝…その崩壊への序章と共に~擦り減りゆく時と人生の刹那が唄われる詩…。
そこに~人の心の繊細なひだを感じ、沙門である空海と~盟友、橘逸勢の会話が心地良く、物語の緊迫感を和らげる。
謎の紐を解く繊細なストーリーは、読む者を圧倒的に引き釣り込み~見事なまでに終結のエンドロールへ導いてくれる。

あぁ…終わってしまう…そんな残念な思いで巻の四~終盤では一抹の哀しみを感じながら、読まずにいられない感覚…。
終わりを迎え、文庫~スピンオフの戯曲ストーリーが余韻に決別を結ぶ…。
空海の清々しい生き様…それは沙門でも僧侶でもなく~一人の人間としての在り方を完膚なきまでに感じさせるのだ♪

映画公開は~2018年…是非ともこだわりぬいて、最高傑作の映像美を期待したい…その様に感じとります♪




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64

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  昭和64年…昭和天皇崩御により~7日間のみしか存在しない年号…。
  あの頃~渋谷は道玄坂に勤務していた時期…年明け出社の際、道玄坂は~喪に服す垂幕に覆われ、異色の
  街並みを醸し出していた…振り返れば~あの頃も、随分と…日常の破れない壁に直面していた記憶がある…。

  横山秀夫著~【64(ロクヨン)】を読んだ…
  物語は、この7日間の間に発生した未解決の【幼女誘拐殺害事件】がベースであり、【64】とはその符号でもある。
  主人公【三上】は、家出中の娘を案じながら~刑事部から刑務部へ異動させられた【広報室の広報官】…。

  
  未解決事件の遺族たる雨宮芳男
  未解決ゆえに本庁長官が慰問に訪れたいと申し出るその【裏の真意】…。
  事件発生当時~自宅班として詰めていた捜査員達の間で発生した問題…それを隠蔽したいD県警上層部…。

 
  広報室と各社マスコミとの唾競り合い…その広報室の部下達をまとめようと奮闘する三上の姿
  刑事部と刑務部との確執…鍵を握る元自宅班だった【幸田】が残したとされる【幸田メモ】…
  それを追尾するかの様に影で動く【二渡】…あらゆるシーンで出てくる【無言電話】と云うキーワード…。

  そして~後半戦で突如、【64】を模倣したと思われる【誘拐事件】が発生する…。
  ここまで先の読めない展開は~その点と線を結び始め、輪郭を克明に浮き上がらせてくる。
  点と線を…一気に核心部へと導く手法は~見事…実際、その輪郭は~三上が気付くまで、推測できませんでした。

  先日までNHKでドラマが放映されとりました…そこにタイミングよく読み始めていたこともあって、ドラマも見た。
  読みこんで~映像を見る…そこには~ドラマのみでは汲み取れない真意を知る者のみが理解可能なシーンが…。
  やはり…底辺には暗く…言葉に出来ない感情が後半に溢れ出てきます…その深く悲しくも~絶対的な意思…。

  現代を生きる【自己のポジション】を明確に意識する男の姿…やはりハード・ボイルドと云えましょうか…。
  組織人は常に追い込まれるものです…最善の出口を見極め~落とし所を提示する…が、理解者が必要だ。
  どこの社会や組織にも、立場優先の輩が・・意思を捨てて~保身者へと移り変わる荒野たる現代社会…。

  命の尊さ…
  故人の尊厳…
  組織人であっても~そのバランスを欠くことなく、本質的な心あるメンタルトレーナーを目指すのが、今時と信じます。


  
  
  

  

テーマ : 読んだ本の感想等    ジャンル : 小説・文学

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下町ロケット

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  『倍返しだっ…』の~半沢直樹…快進撃を続ける著者~【池井戸潤】の作品、【下町ロケット】を読んだ。
  沸騰型個性の熱い人間像が描かれる彼の作品は、その魅力的な人物像の配置で~強力に吸い込まれる…。
  製造業に関わっていなくとも~充分楽しめる物語だが、携わっている分~うなずける配慮が心難い。

  大田区という場所は、私のLIFE WORKの基礎が創られたフィールド…学び~奮闘し、悩み~再起した場所だ。
  この町は京浜工業地区と呼ばれ、昔ながらの職人さん達がひしめき合い~卓越した技術に磨きを掛けて来た。
  それでも、後継者不在の会社は~やむなく店仕舞いをせねばならず、ずいぶんと工場が減ってしまった…。

  そんな場所が舞台の【下町ロケット】…。
  ロケットエンジンの技術研究者【佃航平】の創り上げたエンジンを搭載したロケットはプロローグで失敗~爆破…。
  父の跡を継いだ【佃製作所】の社長業として~さえない環境を生きる処から物語はスタートする。

  主要取引先の【京浜マシナリー】から発注停止宣言を受け~銀行からは、ソッポを向かれ、同業の【ナカシマ工業
  から特許・侵害で訴えられ~航空宇宙開発の最大手【帝国重工】からちょっかいを出される…。
  一難去って又一難…と~途絶えることのない無理難題とピンチを、主人公は切りぬけて行く。

  この物語に脈々と流れる生命の源は、【技術力】というひとつの信念であろうか…登場人物は、実に濃いキャラで
  人物像さえ描けてしまう程、身近に存在しそうなキャスティングが散りばめられ…そんな彼らさえ、最終的には
  技術という名の信念で繋がっており、エピローグで~その思いがひとつになる…実にスカッと感で幕を閉じます。

  夢のある何かを創りたい…モノ創りに妥協を介入させず、一心一念に技術力を研ぎ澄ます姿勢…この国が
  経済大国として君臨した基礎は、丁寧なモノ創り…職人技による匠の意思が根底に存在していたからでしょう。
  大金を取るか、夢と技術を取るか…木端微塵になりそうな現代の在り方へ~アンサーとなる作品であります。

  ちょっとした旅の友に~是非、連れて行って欲しい作品ですね♪


  
  
  

テーマ : 読書    ジャンル : 小説・文学

プロフィール

聖

Author:聖
自作楽曲の配信サイトです。
詩を書き~曲を付け~唄う…
そこには、多くの試練と喜びが
待ちうけております…。
喜怒哀楽が伝われば幸いに思います♪

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